スライド「飛行機設計の入門」の公開

 

 

↓スライド内で言及されている翼型作成エクセル

www.dropbox.com

 

私は大学でとある授業のTAをしており、そこで電動ラジコン飛行機の設計法について1時間ほど解説している。このTAはかれこれ3年半ほどやっていて、その授業用の資料も少しずつ書き足したりしてきた。このスライドを授業で見た学生は、結構多いんじゃないか。

 

無人飛行機産業に少しかかわるようになって、飛行機設計の技術というのは他の技術よりも入門の敷居が高いらしく、固定翼の設計がまともにできる人はまだまだ少ない、というのが率直な感想だった。

 

だからこそ、つまりはその技術の特殊性をもってして、航空宇宙工学を専攻した人はご飯が食べていけるわけで、私もその一人だ。その結果、持っている技術は他人から隠したくなるし、なかなか自作の飛行機が市民権を得ないのも、そういう理由だろう。

 

でもでもでも、せっかくドローンブームが来ていて、5年前に比べてグッと人々と空が近くなった現在において、固定翼界隈が乗り遅れるのは、最大級の損失だと、私は思う。機械工学、もっと具体的に言えばマルチコプターのように、航空工学が一般的な学問として認識されるようになれば、日本もアメリカのように、飛行機と人間が歩み寄っていけるのではないか。

 

というわけで、飛行機設計の手法に絞ってまとめたこの資料を公開します。

一応、最低限飛行機の専門用語とかは押さえている前提で、流体とかの小難しい話はあまりしていません。後半は空力解析ソフトXFLR5の3次元解析機能を用いた機体解析のやり方や、先尾翼機や全翼機といった変態機の簡易的な設計方法も載せています。

www.xflr5.com

 

多くの人が、固定翼を飛ばして楽しめる、そして便利だなぁと思ってもらえる世界が実現したらいいなぁ、としみじみ思います。その実現に向けて、少しでも力になれれば、と思う次第です。